遊び


草原の夏

山中湖で行われたあるイベントでこんなことがありました。小学生の兄がナイフで木を削っているのを横で見ていた幼稚園の弟。弟もナイフが使いたくて仕方がないのです。私が「削ってみたいんだね」と声をかけると「うん」といいます。「やろう」とさらに声をかけて、この幼児の両手に後ろから手をまわし、持ち方や力の入れ方を教えつつ一緒に削りました。はじめは思うように手が動きません。しかし、何度もやるうちに要領が分かってきます。そうやって時間をかけて、やっと自分の力で一片の木片を削ることができました。「そう、できたじゃない!?」と声をかけたのに対し、満面の笑顔が返ってきました。単にナイフを使ったという喜びだけでなく、できたという喜びからステキな笑顔を見せてくれました。
大人が見過ごしがちなこの小さな体験はこの子にとって大きな成功体験になったことでしょう。そのような成功体験を獲得できる機会は、「自然の中で遊ぶ」中に実はぎゅーっと詰まっています。もちろん、ナイフだけではありません。かくれんぼで鬼に勝つこと、木に登ること、・昨日出来なかった遊びが今日はできること、なんでもいいのです。小さな成功体験を数多く積んでもらいたいのです。自然遊びを通して、昨日よりもちょっと難しいことに挑戦し、その壁を乗り越えるお手伝いをしたいと思っています。自然の中で遊ぶ子供のキラキラとした笑顔と、それを見ているお父さんお母さんの幸せそうな顔を見て、私達も嬉しくなります。


森遊び

 都市では子供たちが自然の中で遊ぶ時間や場所が少なくなり、遊びそのものが単純化し、異年齢(世代)間の交流が失われていますが、山中湖に残された豊かな自然空間においては、その失われたものを取り戻すことができます。その効果はすぐには目に見えないかもしれませんが、私たちにとって宝である子供たちを育てる、山中湖はそんな場ではないでしょうか。

NPO法人富士山ネイチャークラブ
難波清芽



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