富士山


冬の富士山

 山中湖から見る富士山は左右の稜線のバランスが取れ、広く裾野が見渡せる雄大な姿をしています。左右の稜線の中ほどに肩のように張り出たところがありますが、これは富士山の噴火史の中で、最も古い噴火と一番新しい噴火の跡です。右が小御岳、左が宝永山といい、富士スバルラインの五合目駐車場の位置がこの小御岳の頂上部分にあたり、宝永山は富士山スカイラインを登った表富士五合目に位置し、西暦1707 (宝永4) 年の大噴火のさいにできたものです。その富士山は噴火の繰り返しにより形成された複層階の山です。約70万年?10万年前ごろにかけ小御岳がまず形成され、次に10万年前頃に小御岳の南側からの噴火により古富士が形成されました。その後噴火を繰り返し、約1万年前に現在の姿である新富士ができました。  富士山の表面の地層は水を浸透し易く、雨や雪解け水は山肌に流れる川とはならずに地面に浸透してしまいます。たとえば、富士山に登ってみると、富士山の溶岩には多数の孔があり軽石のように軽いことが分かります。これは新富士を形成している溶岩が高温のため中に含んだ水分を噴出し多数の孔があいたためです。それに対し、古富士は氷河期にできた山で、噴出した溶岩は氷河により温度が下げられ泥流溶岩となって固まり水を通さない不透水層を形成しています。それゆえ、地面に浸透した雨水などは新富士と古富士の間を伏流水となって流れ、富士五湖や忍野八海などの湧水となっているのです。


ダイヤモンド富士山

 山中湖は昔、宇津湖と呼ばれる大きな湖でしたが、西暦800(延暦19)年から始まった延暦の噴火により流れ出た鷹丸尾溶岩流に分断され、一部は干上がり忍野盆地となりました。晩秋にはよく霧が発生しますが、山の上からのぞむと山中湖から忍野にかけ霧が張り往時の宇津湖の姿を彷彿とさせます。その山中湖からは様々な表情の富士山を楽しむことができます。夏は鉄分を含んだ溶岩が朝日を浴び赤銅色に焼けた色になることから赤富士、冬は富士に積もった雪がピンク色に染まることから紅富士と呼ばれ、ともに晴天の日の出前に見ることができます。また、秋から冬にかけては太陽が富士山山頂に沈みますが、その際、太陽がダイヤモンドのような光を放ちダイヤモンド富士と呼ばれています。

ホテルマウント富士
込山茂克



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