動物

山中湖の野鳥


道標の上に残されたテンの糞(平野)

 山中湖周辺は日本三大野鳥生息地ともいわれ、野鳥の生息数・種数ともに豊富なことで知られています。目視や囀り、地鳴きによる種の確認と、東京大学富士演習林での過去の調査記録および各種文献調査によって総合的に判断すると、山中湖村内で生息する野鳥の種類は170種におよびます。
 これほど多くの種が見られる理由として、山中湖を繁殖地とする夏鳥、越冬を目的とする冬鳥と富士山の高標高地域からの標鳥、春と秋に渡りの途中に短期間滞在する旅鳥、村内で一年中見られる留鳥など、山中湖が四季を通じて豊かな野鳥相に恵まれていることがあげられます。また、湖畔を採餌や営巣の場として利用するガンカモやクイナ類や、森林環境を好むケラ類と呼ばれるキツツキ科とキビタキ・オオルリ・クロツグミやアカハラなどのヒタキ科の鳥相、ホオアカやノビタキ・オオジシギなど草原性の鳥相が見られることは、村内の多様な生息環境の存在を示唆しています。

山中湖の哺乳類


シカの角とぎの木(平野)

 生活痕(糞・食痕・足跡・営巣跡など)の調査では、12科24属25種を確認していますが、特筆すべきはホンドキツネやニホンアナグマ・ニホンイタチ・ニホンジカ・イノシシなどの大・中型の哺乳動物が、湖畔やその周辺の人間の生活区域にまで頻繁に出没しており、生活痕を村内のいたるところで確認できることです。その理由として山中湖村では、本来野生動物と人間との生活空間を隔てる緩衝地帯(バッファゾーン)となっている、いわゆる里山的空間が存在せず、別荘地が双方をつなぐ回廊的役割を果たしていることがあげられます。  また、湖畔を中心に残されてきたブナやケヤキなどの巨樹は、コウモリ類やムササビなどに格好の住処として利用されており、多くの生活痕を見ることができます。

その他の動物

 寒冷で田園地帯を持たない山中湖村では爬虫類・両生類はともに多くありません。  昆虫類では全国各地で失われつつある人為草原に依存する多くの種類の蝶を確認できます。またその中には、絶滅危惧種としてレッドデータブックに記載されている種も少なくありません。

NPO法人アースバウンダー
小野俊彦

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